満足度のより高い在宅医療を、そこ此処に
医療法人あい友会のサイトを訪れていただいた皆さん、貴重なお時間を割いて訪問していただき、誠にありがとうございます。理事長の野末睦です。皆さんへのご挨拶として、今までの法人の歩みと現状、さらにはこれからの展望をお話ししたいと思います。
医療法人あい友会のもととなる在宅医療中心の「あい太田クリニック」を群馬県太田市に野末の個人事業として開設、保険診療を開始したのは2014年10月です。そして、その約1年後の2015年9月に、この事業をより社会的なものとするために、「医療法人あい友会」を設立いたしました。その後、医師をはじめとした多くの職員が当法人に就職し、少しずつ大きくなるとともに、2020年10月には山形県庄内平野にある三川町に「あい庄内クリニック」、2021年8月に群馬県前橋市の北関東道駒形インター脇に「あい駒形クリニック」を開設いたしました。その間、太田市には訪問介護事業を行う「あいホームケアステーション」、それに併設された居宅介護支援事業(ケアマネ事業)も開始いたしました。2021年10月末現在、法人全体で約1400名の在宅登録患者さん。約100名の職員と、かなり大きな組織になってきております。
なぜ、このように大きな組織への発展、またいくつかの地域でのクリニックの展開をしてきたのかについて、二つの側面からお話ししたいと思います。一つは医療提供側の事情、もう一つは患者さん側からのニーズの高まりです。医療提供側の事情としては、24時間365日の医療提供を無理なく行うには、少なくとも5名程度の常勤医師(非常勤医師の常勤換算を含む)が必要であること。また、クリニック開設当初は、どうしても医師不足などがあるため、それを既存のクリニックスタッフでカバーすることが必要であること。などがありました。
また患者さん側からの事情では、とにかく在宅医療を提供してくれる医師、とりわけ在宅医療を主な業務とする医師がなかなかいないこと。そのため、病状が落ち着いている間は在宅療養をすることができても、いざ病状が重くなると、担当の医師から病院への入院をアドバイスされ、自宅で最期を迎えるという願いがなかなか叶えることができない地域が多いということ。まさに、太田市、三川町、前橋市、それぞれが厳しい状況を抱えていました。このように、医療提供側と患者さんのニーズがマッチして、一つ一つのクリニックが大きくなるとともに、いくつかの地域でのクリニック開設となってきたのです。
今後も現在の基本方針は変わりません。つまり、一つ一つのクリニックの大規模化。それと多拠点化です。クリニックの規模が大きくなると、勤務体制に余裕がでるばかりでなく、いくつかの在宅医療で特徴的で必須の分野に、手分けして注力することができます。口腔ケア、嚥下機能障害への対応、栄養サポート、緩和ケア(緩和リハビリ、緩和口腔ケアを含む)、褥瘡などへの創傷ケア、呼吸不全への対処、在宅腹膜透析、などなど。これらは法人内で専門領域と呼んで、勉強、研究、教育に邁進しています。これらのことを行うには、とにかくマンパワーが必要なのです。
また多拠点化に関しても、積極的に進めていきたいと思っています。現在3ヶ所のクリニックですが、私と何らかの縁があるところを中心に、新規開設を推し進めていきたいと思います。なぜなら、一般的な在宅医療を提供するのみならず、前述の専門領域をカバーするような在宅医療を提供できるクリニックは、まだまだ少ないからです。患者さんご自身あるいはその家族が、人生を振り返って、いい人生だったと思えるように、このような在宅医療を全国に提供していきたいのです。
時代は流れます。在宅医療の分野でも、オンライン診療をどうするか。日頃、診療していない人からの往診依頼、つまり急性期医療をどうするか。など、これから検討しつつ、どんどん変わっていくでしょう。一つの考え、ビジョンに凝り固まることなく、あい友会は変化、発展していきたいと考えております。今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。
そして、よかったら、一緒に働きましょう。私のここに記した考えに共鳴して、一緒に働きたいとお考えの方は、いつでも募集しております。ご連絡お待ちしています。
理事長・野末睦(のずえ むつみ)の経歴
- 1957年7⽉ 岐阜県生まれ 長野市で高校まで過ごす
- 1982年3⽉ 筑波大学医学専門学群 卒業 医師免許取得
- 1991年4⽉ 筑波大学臨床医学系(外科)講師
- 1993年5⽉ ハーバード大学マサチューセッツ総合病院研究員
- 2002年4⽉ 医療法人徳洲会庄内余目病院 院長就任
- 2006年10⽉ 庄内余目病院 創傷ケアセンター長 兼務
- 2014年10⽉ あい太田クリニック 開業 院長就任
- 2015年9⽉ 医療法人あい友会 発足 理事長 兼務
- 2022年2月 あい太田クリニック 院長退任、理事長に専任
- 2024年2月 あい熊谷クリニック 院長 兼務
外部役員、委員など
- 日本フットケア・足病医学会 評議員
- 日本医療マネジメント学会 評議員
- 筑波大学附属病院 経営協議会委員
資格
- 日本在宅医療連合学会 認定専門医・指導医
- 日本フットケア・足病医学会 認定師
著書及び執筆物
著書
- 『改革・改善のための戦略デザイン 病院DX』(中村恵二 著/野末睦 著)
- 『轟健 炎のキセキ』(野末睦 著)
- 『医師になる選択 医師の選択 : 自分と向き合う23の質問』(野末睦 著)
- 『『最期の選択』人生の終幕を我が家で: がんで亡くなった10人の在宅医療実話』(野末睦 著)
- 『外反母趾や胼胝、水虫を軽く見てはいませんか!』(野末睦 著)
- 『こんなふうに臨床研修病院を選んでみよう! 楽しく、豊かな、キャリアを見据えて』(野末睦 著)
- 『創傷ケア、下肢救済、フットケアを病院経営に組み込む方法』(野末睦 著)
- 『院長のファーストステップ』(野末睦 著)
執筆
寄稿
- 病院新聞
- 『在宅医療クリニックにおけるDX推進がもたらす効果①「業務を効率化して患者へのアプローチを深める』 TKC医業経営情報2023年4月号
- 『在宅医療クリニックにおけるDX推進がもたらす効果② 電子化、自動化を続けてDXの実現を目指す』 TKC医業経営情報2023年5月号