キャリア

【医師のキャリア/転職】良好な家族関係を築くにはどうすべきか【訪問診療】

野末 睦
医療法人あい友会 理事長
野末 睦

現在、本当に幸いにも、わたしと家族の関係は良好だと感じていますが、過去にはいろいろな解決すべき課題を抱えていました。

この領域はあまりにプライベートなことだけに、流石にここにも書きにくいことばかりです。

そのようにいろいろなところに誰もが書きにくいことだからこそ、わたし自身もほかの人の経験から学ぶことが少なく、いくつかの判断ミスをしてしまったなあと振りかえっています。

ですから、プライベートなことはできるだけオブラートに包みながらも、良好な家族関係を構築していくためのコツだと思われることをお話したいと思います。

まず子どもの教育についてですが、この本の初めの頃に、わたしの幼少期から、中学高校時代のことを書きました。

ちょっとしつこいくらいでしたが、実はこの項を意識していたからです。

自分自身が子どもだったころに、どのように考えて、どのように困って、どのように人に言えない悩みをもって、成長してきたか。そのことを皆がそれぞれ思い出してほしいのです。

そうすると、ゲームに夢中になっている子ども、不登校になった子ども、いじめにあってしまった子ども、逆にいじめに加担してしまった子ども、そのような子どもの気持ちが少しだけ理解できると思います。子どもの教育は、そこからのスタートだと思います。

そして、子どもの教育は、実際は親ではなくて、他人から行われるという、当たり前のことを重視するといいと思います。

できるだけ、明るく、楽しい、そして一生懸命な人生を送っている人とふれあう機会を増やしたり、海外一人旅に送り出したりしたことがわたしの子どもには、とてもいい影響を与えたように思います。

医師が子どもに見せる背中


少しだけ残念なのは、5人も子どもがいるのに、今のところ、医療関係、特に医師になる道に進んだ子どもが一人もいないということです。

これについてはいろいろな要因が考えられますが、一番は、わたし自身が家に帰った時に、「楽しくて、やりがいのある仕事から帰宅したよ」というメッセージを、背中に漂わせていなかったためだと思います。

いまでこそ、心の底から医師という職業を楽しんでいますが、子どもたちが進路を決める頃は、正直いろいろ疲れていて、また、忙しすぎて家に帰る頃には子どもたちは眠っていて、はつらつとした姿を示すことができませんでした。

これが一番の理由だと思います。

医師の友達のお子さんに、いろいろと問題を抱えていることが多いような気がしていますが、わたしと同じような状況をつくり出してしまっているのかもしれません。

夫婦関係を発展させる4つのキーワード


配偶者を得、そして配偶者と良好な関係を維持、発展させていくということも、もちろん重要な事柄です。

この面においても、医師はいくつかの克服しなければいけない側面を有しています。

まずは将来の配偶者との出会いについてですが、就職した後は本当に忙しい日々が続くので、同じ職場の人以外にはなかなか出会いがありません。

ですから、学生時代に知り合うか、医師になってからですと、男性の場合は女性の看護師さんと結婚するというパターンが非常に多いのが現状です。

わたしは高校3年生の時に知り合った方と結婚しましたので、前者のパターンに入ります。看護師さんには、素敵な人が多いので、結婚する方が多いのもうなづけます。

まあ、出会いについては何とかなると思うので、多くは触れませんが、より重要なのは、維持、発展ですね。

いろいろな研究で、いわゆる恋心は4年で失われるとされています。

そのあとの関係をどう発展させていくか。

その時のキーワードは、わたしは、愛、尊敬、感謝、スキンシップテクニックだと感じています。

きれいごとを言っているように思われるかもしれませんが、どんなきっかけでもいいので、この4つのキーワードを体得した時に、安定した夫婦になれるような気がしています。

わたし自身、正直胸を張って、いい夫だったとは言えないので、これからも日々、いろいろな工夫をして、相手の考え、立場に思いを馳せて、よりよい関係を築いていけたらいいなあと思っています。

ここに書けないような秘訣もありますので、興味のある方は個人的にお声がけください。

医師としてできること

この項の最後に、子どもの数について言及します。少子高齢化の日本においては、子どもを少しでも多くつくるのは大事なことです。

でも、子ども一人を育て上げるには、お金がかかります。

ですから、ある程度収入の多い職業である、医師の方にはたくさんの子どもを育て上げていただければと思います。

国のためといえば、少し反発を覚える方もいるかもしれませんが、実際子どもを育てるということは、実感としては自分たちの幸せにつながると感じています。

また、不妊のカップルもいると思いますが、ぜひ養子を育てていただければと思います。

わたし自身、養子として育ちましたが、とても幸せな人生を送ることができています。

お子さんがほしいのに、できないカップルには、特別養子縁組制度などもありますので、ぜひご検討いただければと思います。人生の幅が広がると思います。

「良好な家族関係を築くにはどうしたらいいでしょうか?」への私的結論

配偶者や子どもとの関係構築には、相手の立場になることが大事。それには、それなりの勉強やトレーニングが必要。

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この記事を書いた人 野末 睦
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総合内科 消化器外科 日本在宅医療連合学会 認定専門指導医

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