訪問診療における嚥下内視鏡検査(VE)とは?
嚥下内視鏡(検査)とは、鼻から細いファイバー(直径3ミリ)を挿入して、喉の奥(咽頭、喉頭)を診る検査です。
喉の動きや形に異常はないか、食べ物や痰が喉に残っていないか、誤嚥はないか等を評価し嚥下機能を診断します。
訪問診療で嚥下内視鏡検査を行う目的やメリットとは?
食べ物や水分を飲み込んだ時の咽頭内へ残留の程度や、喉頭への流入があるかを評価することで、誤嚥リスクの少ない食事形態や姿勢を知ることができます。
患者さんのご自宅で検査を行うので、病院までの移動に伴う身体的・精神的な負担を軽減できます。
特に高齢者や身体的な制約がある患者にとっては、大きなメリットです。
普段食事をしている環境で検査を行うことも良い点ですが、病院とは違って多職種が連携してサポートするのは難しいことがあります。
ただ当法人には歯科医師や管理栄養士、理学療養士が在籍していますので連携が可能です。
外部の訪問看護師や理学療法士、言語聴覚士とも連絡ツールを使用し情報交換を行っています。
特に管理栄養士は検査に同行していますので、嚥下機能低下によって栄養状態が低下している方への栄養サポートをスムーズに行っています。
摂食嚥下障害とその治療方法
摂食嚥下障害とは、正常な嚥下の機能が損なわれることで、「食べる」という行為は専門用語で「摂食」と言います。
そして、「摂食」のうち、咽頭から先を「嚥下」と言います。
「摂食」の障害全体を示すものを「摂食嚥下障害」ということもあります。
摂食嚥下障害の治療としては、栄養療法や呼吸理学療法、姿勢の調整などの保存的治療のほか、保存的治療で嚥下機能が改善しないと判断された場合に、嚥下機能の改善や誤嚥のリスクを低下させる目的で行う嚥下機能改善術、誤嚥しなくなるようにする誤嚥防止術という手術による治療もあります。
嚥下内視鏡検査の対象者や受診(利用)条件は?
よくむせる方、誤嚥性肺炎を繰り返している方などの飲み込みに不安がある方や、現在経管栄養のみを行っているが口から食事をしたい方などを対象に検査を行っています。
詳しくは検査を行っている医療機関に連絡し、確認をお願いします。
当法人では訪問診療を行っている患者さんを対象に、必要な方には検査を勧め、同意のもと検査を行っています。
また、ご希望があれば完全予約制ですが、あい友会での訪問診療を受けていなくても外来での検査も受けることが出来ます。(嚥下内視鏡検査に対応しているクリニックに限ります。詳しくは各クリニックへお問い合わせください)
嚥下内視鏡検査の手順について
まずはじめに、普段の食事の様子の聞き取りを行い、それを参考に検査の姿勢を整えます。
次に医師が鼻腔から内視鏡を挿入し、実際の映像を確認しながら、5~10分ほど飲食してもらいます。この時の食事はお手伝いすることが多いです。
検査中や検査後に映像を見ながら説明し、食事の注意点などをお伝えします。
検査後、主に管理栄養士がその後の様子を確認に伺うことがあります。必要な方には、1~6ヶ月の間に再検査を行います。
訪問診療で嚥下内視鏡検査を行えるエリアと距離
訪問診療が可能なエリア(クリニックを起点に半径16キロ圏内)であれば自宅に伺い嚥下内視鏡検査をすることが可能です。
また、ご希望があれば完全予約制ですが、あい友での訪問診療を受けていなくても外来での検査も受けることが出来ます。(嚥下内視鏡検査に対応しているクリニックに限ります。詳しくは各クリニックへお問い合わせください)